佳作B
The House of Blue Collar
畠山 拓也
九州大学大学院 人間環境学府 空間システム専攻
共同制作者/高橋 豪志郎・中山 颯梧・野嶋 淳平・福田 拓人
グローバリゼーションの煽りを受け、かつての下位中産階級であったブルーカラー達は貧困層への転落を余儀なくされた。貧困層にある彼らは自らを象徴するデニムを皮肉的に用い、ついにはデニムの住宅に住まうことにした。履きこなされた一本のヴィンテージジーンズのように、住みこなされたデニムの住宅は、生地・ステッチ・リベット等の素材から始まり、その加工、さらには経年によるダメージやパッチワーク、色落ちに至るまで、まるで数寄屋のように彼らのこだわりを表象し立ち現れる。経年による味わいが増し、経年熟成された彼の住宅は、歴史上そうであったようにデニムを社会への自由と反抗のシンボルとして用いる精神を継承し、新築に住まい、劣化すれば住み替えることを正義とする富裕層の社会を痛烈に批判するものとして、貧しくも強く、美しくそこに在り続ける。
(平成29年度)第23回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「中産階級の美学・再び」
審査員:古山 正雄氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
優秀賞 | 久恒 玄季 九州大学大学院 芸術工学府 デザインストラテジー専攻 | memento mori | 作品 | 300 | |
優秀賞 | 佐藤 康行 東京理科大学 大学院 理工学研究科 建築学専攻 | 街灯の下のピアニスト | 作品 | 300 | |
優秀賞 | 秋吉 由登 横内敏人建築設計事務所 | イエの叙事詩 | 作品 | 300 | |
佳作A | 岸本 賢 京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 | 万物は流転する | 作品 | 200 | |
佳作B | 山本 祥史 東京理科大学 大学院 建築学専攻 | 階級の壁を超えて | 作品 | 200 | |
佳作B | 畠山 拓也 九州大学大学院 人間環境学府 空間システム専攻 | The House of Blue Collar | 作品 | 共同制作者/ 高橋 豪志郎 中山 颯梧 野嶋 淳平 福田 拓人 | 200 |
佳作C | 瀬川 育未 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 環境デザイン専攻 | 智の積層 | 作品 | 200 | |
佳作D | 山口 薫平 東京理科大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 | 街を所帯する欲望の住処 | 作品 | 50 | |
佳作D | 德永 晋 九州工業大学 大学院 建設社会工学専攻 | 超画一社会と欠陥住宅 | 作品 | 50 | |
佳作D | 岡田 夏樹 日本大学 生産工学部 建築工学専攻 | 中産階級の美学/ サヴォア邸により共鳴する世界の富 | 作品 | 50 | |
佳作D | OUNCHANUM PIYACHON 京都工芸繊維大学 | Hopewell : public area for all age and all people. | 作品 | 50 | |
合計11件 | 総額 1,900 |