佳作A
主体(不)在の庭
鈴木 俊
東京理科大学理工学研究科 建築学専攻
共同制作者/國分 元太
都市に、植物が主体性を獲得した庭をつくることができるだろうか。計画され、管理された植物たちは、環境配慮というステレオタイプへの免罪符として乱用されている。これからの都市に緑を本当に戻したいのならば、都市を野生の植物に委ねる態度が必要だ。一方、「車」のいない「駐車場」や、「住人」のいない「住宅」といったような「主体不在の場」が都市には多くある。そのような場は将来的に放棄されていくであろう。そんな、放棄されていくであろう場所が、野生の植物たちのインフラとなるように操作を加える。「住宅の屋根を剥がす」「歩道橋の片方の階段を撤去する」といったように、場の構造は残しながら機能を無効化することによって、その場所は人の手から放棄され、植物がやってくる余白が生まれる。野生の植物は人の手から逃れたところに現れ、野生の植物に溢れた場所は、人のための庭ではなく、この惑星のための庭となる。
(平成29年度)第24回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「インフラとしての建築」
審査員:千葉 学氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
最優秀賞 | 鈴木 翔之亮 横浜国立大学大学院 都市イノベーション学府 | 屋台の風を吹かす街角の給水櫓 | 作品 | 500 | |
優秀賞 | 菅野 正太郎 mi Co. | 浮遊する伽藍 | 作品 | 共同制作者/ 園家 悠司 | 400 |
優秀賞 | 野本 壮太 京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 | 連担のすゝめ | 作品 | 400 | |
佳作A | 鈴木 俊 東京理科大学理工学研究科 建築学専攻 | 主体(不)在の庭 | 作品 | 共同制作者/ 國分 元太 | 200 |
佳作A | 横山 大貴 日本大学大学院理工学研究科 建築学専攻 | 百年復興住宅 | 作品 | 共同制作者/ 藤井 将大 佐藤 千香 | 200 |
佳作A | 渡部 総一郎 フリーランス | Basement City | 作品 | 200 | |
佳作B | 池川 健太 フリーランス | 依存的多動建築 | 作品 | 150 | |
佳作B | 田村 聖輝 横浜国立大学大学院Y-GSA 建築都市文化専攻 | 川の営みと共に -川の流れを受け入れる治水技術による生物多様共生型の水涯線- | 作品 | 150 | |
佳作C | 齋藤 直紀 慶応義塾大学大学院理工学研究科 開放環境科学専攻 | ボロくてかわいいまちの インフラ | 作品 | 100 | |
佳作C | 横田 英雄 フリーランス | 地中の森 | 作品 | 100 | |
佳作C | 山崎 嵩拓 東京大学大学院 工学系研究科 都市工学専攻 特別研究員 都市計画(景観・緑) | なぜインフラは地中に埋没しているのだろうか? | 作品 | 共同制作者/ 尾門 あいり | 100 |
合計11件 | 総額 2,500 |