佳作
夏、雪室で会いましょう
江邨 梨花
日本大学生産工学部建築工学科 居住空間デザインコース4年 建築意匠
共同制作者/鈴木 輝
雪国では昔から雪を集めて活用する「雪室」という考えがあった。雪を最大限活用するこの方法には多大な労力と広場が必要だったため、今は衰退しつつある。そこで住宅の間に「雪室」を持つかたちを提案する。雪室を持つことで「屋根・壁・窓」が働きものになる。屋根は自然に雪が落ちる45度勾配となり、雪かきの労力や雪を溶かす発電量を抑える。壁は雪室の床や天井として開き、夏は涼しい共用部・冬は機密性を確保する。窓ガラスの煙突は、夏は涼しい風・冬は暖かい光を取り込む。仕組みとしては、集風塔から雪室へと空気が流れ込み、雪に冷やされた空気は住宅内を通り、煙突から抜けていく。雪解け水はポンプで汲み上げ、周囲にまくことで打ち水効果を得る。雪室は土に覆われ、温度変化の少ない地熱によって夏場でも溶けにくい状態を保つ。雪室が地中で建物全体を支え、その上に開口を避けた壁、支えやすい勾配の屋根により構造が成立し、可動壁が成り立つ。
(2019年度)第26回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「働きものの住宅」
審査員:中村 好文氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
優秀賞 | 馬場 隆介 鹿島建設 建築設計 | 働きものシェルター ‐Shelter Overlapping with Wind‐ | 作品 | 400 | |
優秀賞 | 白井 雅人 東洋大学 大学院 理工学部 建築学専攻 | 小さな連関の構築 | 作品 | 共同制作者/ 石井 桃子 | 400 |
奨励賞 | 安田 星香 福井大学 工学部 建築・都市環境工学科 | Re Light House | 作品 | 350 | |
秀作 | 坂本 真希 崇城大学 大学院 建設システム開発工学専攻 | シャル・ウィ・ハウス | 作品 | 共同制作者/ 大城 翔茂 | 300 |
秀作 | 落合 諒 東京理科大学大学院 理工学研究科建築学専攻 | モノが彩るイエの灰インフラ | 作品 | 共同制作者/ 七五三掛 義和 | 300 |
佳作 | 山本 康二 豊田工業高等専門学校 建設工学 | Gnomes’ Village | 作品 | 150 | |
佳作 | 江邨 梨花 日本大学生産工学部建築工学科 居住空間デザインコース4年 建築意匠 | 夏、雪室で会いましょう | 作品 | 共同制作者/ 鈴木 輝 | 150 |
佳作 | 楊 翌呈 東京理科大学大学院 理工学研究科建築学専攻 | 私と干潟の故事 | 作品 | 共同制作者/ 青山 実樹 | 150 |
佳作 | 佐藤 稜 三重大学大学院 工学研究科 建築学専攻 | めぐる雨、あしたへ生きる | 作品 | 150 | |
合計9件 | 総額 2,350 |