佳作
めぐる雨、あしたへ生きる
佐藤 稜
三重大学大学院 工学研究科 建築学専攻
昨今の災害の多さから、応急仮設住宅を必要とする場面が増えている。しかし、仮設住宅は住環境の質にまで手が及んでいない場合が多く、被災者は地域性を無視した単なるハコでの非人間的な生活を強いられるため、二次的な精神被害を招いてしまう。そういった現状における地域性獲得のために「気候」というコンテクストに着目する。地域を限定しない気候を主軸として扱うことで、より大きな視野で地域性を考えることが可能となり、仮設住宅という決められた場所に建たない建築を設計する際には非常に重要なコンテクストとなるのではないだろうか。そのような気候の中でも雨は建築の原初的な要素であり、建築は雨の対峙によって生まれたとも言える。そこで「雨」と仮設住宅の関係を再考し、災害で冷えきった被災者の心に温かい交流を促すように、住宅も「働きもの」となって被災者の生活を支え、人と住宅が共に働いて暮らす仮設住宅を提案する。
(2019年度)第26回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「働きものの住宅」
審査員:中村 好文氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
優秀賞 | 馬場 隆介 鹿島建設 建築設計 | 働きものシェルター ‐Shelter Overlapping with Wind‐ | 作品 | 400 | |
優秀賞 | 白井 雅人 東洋大学 大学院 理工学部 建築学専攻 | 小さな連関の構築 | 作品 | 共同制作者/ 石井 桃子 | 400 |
奨励賞 | 安田 星香 福井大学 工学部 建築・都市環境工学科 | Re Light House | 作品 | 350 | |
秀作 | 坂本 真希 崇城大学 大学院 建設システム開発工学専攻 | シャル・ウィ・ハウス | 作品 | 共同制作者/ 大城 翔茂 | 300 |
秀作 | 落合 諒 東京理科大学大学院 理工学研究科建築学専攻 | モノが彩るイエの灰インフラ | 作品 | 共同制作者/ 七五三掛 義和 | 300 |
佳作 | 山本 康二 豊田工業高等専門学校 建設工学 | Gnomes’ Village | 作品 | 150 | |
佳作 | 江邨 梨花 日本大学生産工学部建築工学科 居住空間デザインコース4年 建築意匠 | 夏、雪室で会いましょう | 作品 | 共同制作者/ 鈴木 輝 | 150 |
佳作 | 楊 翌呈 東京理科大学大学院 理工学研究科建築学専攻 | 私と干潟の故事 | 作品 | 共同制作者/ 青山 実樹 | 150 |
佳作 | 佐藤 稜 三重大学大学院 工学研究科 建築学専攻 | めぐる雨、あしたへ生きる | 作品 | 150 | |
合計9件 | 総額 2,350 |