奨励賞
火防の神の杜(もり)の幸(こう)
杉森 大起
竹中工務店 設計部
古来より神が宿る場として信仰の対象とされた杜(もり)。
自然への信仰は薄れ、林業の衰退に伴い山林が荒廃している現在、「杜のふるまい」と「人のふるまい」の関係は希薄化している。杜と人の共存共栄の閾となる建築により「杜と人のふるまいの共振」を生む。
自然への信仰は薄れ、林業の衰退に伴い山林が荒廃している現在、「杜のふるまい」と「人のふるまい」の関係は希薄化している。杜と人の共存共栄の閾となる建築により「杜と人のふるまいの共振」を生む。
計画敷地は、火防の神を祀った秋葉山への心願植林以来500年に渡り林業が行われている。秋葉山への火防信仰の修験道は多くの参拝者が往来し、火防の神の下で育った木材として天竜林業は江戸市場を独占し日本の木材産業を支えた。
しかし、多くの信者・職人が行き交った参道は現状手入れの行き届かない樹木に覆われ閉ざされた場へと変わった。
敷地に収束する参道、川、国道の3本の道に対し、旅籠、製材所、道の駅の3つの施設を計画する。大工養成場と観光客を迎える場に加え、木の加工場を複合し、「杜の木を街へ誘う場」と「人を杜へと誘う場」が結節することで、杜と人のふるまいが共振する。
(令和3年度)第28回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「ふるまいの共振」
審査員:中村 拓志氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
最優秀賞 | 香月 弥樹 九州大学芸術工学府 環境遺産コース | 都市裸裸裸実験 | 作品 | 共同制作者/ 沢田 直人 本多 琴美 | 1,000 |
優秀賞 | 小竹 隼人 芝浦工業大学大学院 理工学研究科 | ミズタマリ | 作品 | 300 | |
優秀賞 | 永高 裕太 神奈川大学大学院 工学研究科 | 時層の根 100年後の表参道にて。ふるまいの蓄積と残響と共振 | 作品 | 共同制作者/ 酒井 優人 | 300 |
優秀賞 | 鳥山 亜紗子 東京工業大学大学院 環境・社会理工学院 建築学系 | 雨のうけみち | 作品 | 共同制作者/ 井出 達也 岩下 昂平 尾花 日向我 | 300 |
優秀賞 | 杉山 翔太 信州大学大学院 理工学研究科 | 荒廃した地に敷居を建築する | 作品 | 300 | |
優秀賞 | 廣瀬 貴大 東京都立大学大学院 都市環境化学研究科 建築学域 | 窓を開ければ猫が鳴く | 作品 | 共同制作者/ 高田 典子 梅原 慎太郎 | 300 |
佳作 | 佐野 雄基 名古屋市立大学院・ 芸術工学研究科 | 共振をはじめる家 | 作品 | 100 | |
佳作 | 谷本 優斗 神奈川大学大学院 工学研究科 | さはり【触り・障り】の家 -手間から生まれるふるまいの輪- | 作品 | 共同制作者/ 井口 翔太 林 眞太朗 | 100 |
佳作 | 前村 真太郎 日本福祉大学 健康科学部 福祉工学科 | Ringing Garden | 作品 | 100 | |
佳作 | 伊藤 健 東京藝術大学 美術学部 建築専攻 | 12オルタナティブランゲージ | 作品 | 100 | |
奨励賞 | 蒋 江行 法政大学 デザイン工学研究科 | スローフードのかたち | 作品 | 30 | |
奨励賞 | 杉森 大起 竹中工務店 設計部 | 火防の神の杜(もり)の幸(こう) | 作品 | 30 | |
奨励賞 | 川島 史也 京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 | 境界から始まる建築-ふるまいが共振する建築と都市の更新方法の提案- | 作品 | 30 | |
奨励賞 | 菊池 凌平 東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 | カーテン インフラ ストラクチャー | 作品 | 共同制作者/ 曽根 巽 | 30 |
奨励賞 | 尾石 光 千葉大学大学院 園芸学研究科 環境園芸学専攻 | 大地の上で寝そべり瞑想する -視線を水平転換させた共同意識が作る涅槃の山- | 作品 | 共同制作者/ 廖 小羽 | 30 |
奨励賞 | 砂田 ひかる 椙山女学園大学 生活科学部生活環境デザイン学科 研究生 | 目に見えない呼応 -多動する家- | 作品 | 30 | |
合計16件 | 総額 3,080 |