優秀賞
文様替え
北島 千朔
九州大学大学院 人間環境学府 空間システム専攻
産業廃棄物の最終処分は埋め立てることでその存在を忘れる行為であり、人々の記憶に残すこととは正反対の性格を持つ。
我が国のタイルの産業廃棄物排出量にはアップサイクルの応用可能性がある。しかし、その最終処分先は多くの人々にとって縁遠い存在であり、ごみの排出と最終処分をつなげて考えることは難しい。そこで、日本のタイルの原初である瓦の文様の文化に着目し、各個人がZentangleの手法でタイルの文様が主体的に街並みを形成する方法を提案する。昔からトンバイ塀や窯垣の小径のようにセラミックスをアップサイクルする例は存在する。しかし古紙やアルミニウムのような素材と比べ、セラミックスのアップサイクルの最大の課題は回収と製造の連携である。
あらかじめ解体・分解を考慮した設計を行うことで、タイルの耐候性を活かして人々の個性的な文様が次第に伝播・融合していき記憶する建築として街全体の景観を形成していく。
(令和5年度)第30回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「記憶の建築」
審査員:田根 剛氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
大賞 | 岩下 昂平 東京工業大学大学院 建築学系 | shadow tracing on desert | 作品 | 1,000 | |
優秀賞 | 鴛海 羽乃 北九州市立大学大学院 国際環境工学研究科 環境工学専攻 | 記憶のからくり箱 | 作品 | 共同研究者/ 道田 志歩(北九州市立大学大学院 国際環境工学研究科 環境工学専攻) | 500 |
優秀賞 | 北島 千朔 九州大学大学院 人間環境学府 空間システム専攻 | 文様替え | 作品 | 500 | |
奨励賞 | 矢野 泉和 九州大学大学院 人間環境学府 空間システム専攻 | BIOTECUTURE | 作品 | 200 | |
奨励賞 | 東野 真人 東京大学大学院 工学系研究科 生産技術研究所 | elusive qualities | 作品 | 200 | |
奨励賞 | 小泉 裕聖 フリーランス | カヤ スケープ | 作品 | 200 | |
合計6件 | 総額 2,600 |