本作品のテーマは「過去と現在の併存から考える未来のまち」である。
かつて日本の住宅は呼吸をしていた。その呼吸は住宅の外の空気も整え、心地良いまちが広がっていた。しかし現在の住宅は呼吸を設備に頼り、まちの空気を整えることはない。そこで私たちは、無電柱化によってまちから消える運命にある電柱を核にした、まちの居場所となる土塔を設計することで、再びまちの呼吸を取り戻すことを提案する。
呼吸をしない現在のまちで呼吸をする過去の建築と併存する生活を通した心地良さへの気づきは「呼吸する未来の住宅」につながり、より良いまちを作り上げるきっかけとなる。