優秀賞
Dwellings with a lifespan
田村 陸人
東京科学大学 大学院 環境・社会理工学院建築学系建築学コース
人はひとりで生きておらず、誰かと共同体をつくっては離れを繰り返し、常に流動的に生きている。そうして100年という寿命を全うする動物である。
では、住居はどうか。ここでは、長く保たれる建築をつくったとしても、住まう共同体がほころびだすと瞬く間に取り壊される。つまり、それぞれの建築が特定の共同体のためにつくられたものである限り、その寿命は永くなり得ない。
広域な配置図を描くと、独立したそれらに一定のルールや時間の流れがみられる。そこで、前述した人の営みを住居に置き換え、敷地境界という枠組みをこえた建築の単位の切り離しや統合を行い、新たな全体性の創出を試みた。
この配置図で表現されているのは住居群の営みそのものであり、それ自体に明確な寿命はすでに存在していないかもしれない。しかし、仮に人の寿命を100年とするならば、この営みはまさに『100年の建築』ではないだろうか。
(令和6年度)第31回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「100年の建築」
審査員:永山 祐子氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
優秀賞 | 田村 陸人 東京科学大学大学院 環境・社会理工学院建築学系建築学コース | Dwellings with a lifespan | 作品 | 500 | |
優秀賞 | 谷米 匠太 株式会社関・空間設計 設計監理部 | Living house | 作品 | 500 | |
優秀賞 | 桂 良輔 フリーランス | 景に倣い、風景をつくる ~繕いによる町の新たなネットワーク~ | 作品 | 500 | |
優秀賞 | 中川 颯人 信州大学大学院総合理工学研究科 工学専攻建築学分野 | H家再生 ~石川県能登町における被災住宅再生計画~ | 作品 | 500 | |
優秀賞 | 田中 紘大 鹿児島大学大学院理工学研究科工学専攻建築学プログラム 建築、都市計画 | 浮かび上がる漁村 | 作品 | 500 | |
奨励賞 | 織田 可久瑠 フリーランス | 街の前世がつくる街 | 作品 | 200 | |
奨励賞 | 山田 紘平 広島大学大学院先進理工系科学研究科 建築学 | 新築100年目の土塔 | 作品 | 共同研究者/ 李皓 秋山友希 | 200 |
合計7件 | 総額 2,900 |