100年の建築を考えるという事は100年前の建築に倣うということであり、過去・現在・未来という時間軸の中で建築を考えることでもある。フィールドワークと文献調査から得られたおよそ100年前の町の記憶である生活の跡に倣い、繕いという小さな建築操作で大きな風景を設計する。繕うということはモノとモノ・人・コトとの対話であり、都市部に見られるスクラップアンドビルドの一方通行の都市更新では気づくことの出来なかったネットワークが町に生まれる。繕いという現在進行形の行為は、これからの世代の人たちに技を伝えていくということであり、その行為がこれから100年の姿を描いていく。