入選
マチノアルイエ
田辺 裕美
東京大学 大学院 工学系研究科 建築学
共同制作者/小見山 陽介
マチノアルイエ。それは一言では言えないようなあいまいな関係を許容する住宅である。四周を囲む一つながりのこの空間は街の一部であり、本当の意味での家は、この「マチ」を上下左右にゆるやかに分節しているその塔の分だけで十分なのだ。一緒にいたいとき、一人になりたいとき、泣きたいとき、笑いたいとき。うねり、折り重なったその「マチ」空間は、すべてが一つながりになっているはずなのに、その場所場所ごとに不思議とそれらの行為を許してくれそうに見える。さまざまな関係を持った住まい手が、それぞれに相手との距離を考えて、自分の居場所を見つけられる。無理に一人になることもないし、なにかの集団を演じる必要もない。でも確かに自分の周りには無視できない他者がいて、関わりあいながら生きている。街の中に小さな家々が集まっているように僕らはこの家の中に暮らしている。この「マチ」はそんな僕らの関係も認め、許してくれそうな気がする。
(平成17年度)第12回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「サステイナブルな住居」
審査員:難波 和彦氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
入選 | 雨宮 廣明 日本大学 大学院 理工学研究科 建築学 | URBAN HOUSING | 作品 | 300 | |
入選 | Samuel Tan 北海道大学 大学院 工学研究科都市環境工学 | A Box with 100 LAYOUTS | 作品 | 300 | |
入選 | 土屋 友香 武蔵野美術大学 大学院造形研究科 | NAGAYA 2XXX | 作品 | 300 | |
入選 | 田中 渉 東京大学 大学院 工学系研究科 建築学 | 『sandbag house』 | 作品 | 共同制作者/ 岩元 真明 (東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻) 椎名 諒 (東京大学大学院 新領域創成学研究科 環境学専攻) | 300 |
入選 | 下田 康晴 広島大学 大学院 社会環境システム | Water Tree House | 作品 | 共同制作者/ 西川 佳香 (広島大学大学院 社会環境システム専攻) | 300 |
佳作 | 髙橋 慎一郎 土の空間工房「SOBATO」 代表 | 廃材の家 | 作品 | 100 | |
佳作 | 小縣 信也 YKK AP 株式会社 | 調湿の家 | 作品 | 共同制作者/ 杉本 英一 (大阪市立大学大学院 都市系専攻) | 100 |
佳作 | 綾城 圭 東京理科大学 理工学部建築学科 | permanent boxes | 作品 | 共同制作者/ 松本 巨志 (東京理科大学 理工学部建築学科) | 100 |
佳作 | 田辺 裕美 首都大学東京 工学研究科 建築学 | SKIN HOUSE | 作品 | 共同制作者/ 塩谷 智樹 (首都大学東京 工学研究科建築学専攻) | 100 |
佳作 | 川島 範久 東京大学 大学院 工学系研究科 建築学 | マチノアルイエ | 作品 | 共同制作者/ 小見山 陽介 (東京大学大学院 工学系研究科建築学専攻) | 100 |
合計10件 | 総額 2,000 |