銅賞
批評するキリン
坂野 修平
フリーランス
自然の造形を直接的に引用するような創作物はあらゆる国や時代で作られてきましたが、現代においてそれらは自然と人間という二項対立の中で「偽り」であるとされます。そのような創作物をヒトの習性のあらわれとして種の観点において相対化し、肯定的な立場で捉え直そうというのがこの提案の趣旨です。それを表現する手段として、この提案では自然模倣的な造形の住宅と意味から独立した観測者としてのキリンの関係を描きました。
自然を不器用に信奉するかのような住宅とそれを受け入れるでも拒むでもないおおらかなキリンの様子にヒト以外の世界に対してのあるべき向き合い方を重ねました。そこには人間の不完全さを悲観するのではなく、その不完全な営みを種の特性として愛しながら、ヒト以外の世界に打ち出していくような方法でもって大きな世界と接続する手がかりがあるのではないでしょうか。
自然を不器用に信奉するかのような住宅とそれを受け入れるでも拒むでもないおおらかなキリンの様子にヒト以外の世界に対してのあるべき向き合い方を重ねました。そこには人間の不完全さを悲観するのではなく、その不完全な営みを種の特性として愛しながら、ヒト以外の世界に打ち出していくような方法でもって大きな世界と接続する手がかりがあるのではないでしょうか。
(令和4年度)第29回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「大きな家」
審査員:平田 晃久氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
金賞 | 早坂 愛佳 東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科 | 川を守る者達 | 作品 | 1,000 | |
銀賞 | 服部 圭佑 九州大学大学院芸術工学府 | 3センチの空をつかまえる家 | 作品 | 共同制作者/ 柳 雄貴 (九州大学大学院芸術工学府) | 500 |
銅賞 | 坂野 修平 フリーランス | 批評するキリン | 作品 | 300 | |
佳作A賞 | 杉山 峻涼 武蔵野美術大学 建築学科 | 大きなおだんごの家 | 作品 | 120 | |
佳作A賞 | 野中 郁弥 横浜国立大学大学院Y-GSA | 船を造ること、海を使うこと、街を育てることー造船業がつくる新しい大きさの中に暮らすー | 作品 | 120 | |
佳作B賞 | 宮本 皓生 工学院大学建築デザイン学科 | うつろいの映写機 | 作品 | 100 | |
佳作B賞 | 西尾 依歩紀 金沢工業大学 建築学部 建築学科 | 溜(タ)め家(イエ) ―ため池と共に生きる大きな家の提案― | 作品 | 100 | |
佳作B賞 | 野中 美奈 横浜国立大学大学院 Y-GSA | みんなでつくる大きなおうち ―ワザによりお互いを尊重し、みんなを受け入れる― | 作品 | 100 | |
佳作C賞 | 岩下 隆平 東京工業大学 環境社会理工学院 建築学系 | 境界線に屋根をかける | 作品 | 80 | |
佳作C賞 | 後藤 樹也 東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科 | 不完全が生む寛容な家 | 作品 | 共同制作者/ 竹澤 龍河 (東北芸術工科大学 ) | 80 |
合計10件 | 総額 2,500 |