佳作A賞
船を造ること、海を使うこと、街を育てること
ー造船業がつくる新しい大きさの中に暮らすー
野中 郁弥
横浜国立大学大学院 Y-GSA
造船業は巨大である。これは、ただ単に巨大な船をつくるということを意味しない。船をつくるのに長い時間がかかるという巨大さ、地形を利用するという巨大さ、さらには地域社会全体を巻き込むという巨大さもある。造船という行為は都市的なのである。そこで、造船業のうち、最大の力を持つ今治造船に着目する。今治造船は豊かな内海をもつ今治市波止浜を本拠地とする企業である。多島海に点在する造船所を吸収合併することで世界的な造船不況の中、唯一拡大成長してきた。この企業が鎮座する今治市波止浜を対象地とし、内海全体に浮かぶ建築をだらっと広げる。この建築にはレストランや講義室、住居など様々な都市機能が内包され、その並び方によって多様で新しい内海のかたちが現れる。造船業の巨大さをさらに拡大することによって船を造ること以外に内海に多様なアクティビティを現す、内海全体が造船業だけでなく人々にとっての大きな家となる提案である。
(令和4年度)第29回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「大きな家」
審査員:平田 晃久氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
金賞 | 早坂 愛佳 東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科 | 川を守る者達 | 作品 | 1,000 | |
銀賞 | 服部 圭佑 九州大学大学院芸術工学府 | 3センチの空をつかまえる家 | 作品 | 共同制作者/ 柳 雄貴 | 500 |
銅賞 | 坂野 修平 フリーランス | 批評するキリン | 作品 | 300 | |
佳作A賞 | 杉山 峻涼 武蔵野美術大学 建築学科 | 大きなおだんごの家 | 作品 | 120 | |
佳作A賞 | 野中 郁弥 横浜国立大学大学院Y-GSA | 船を造ること、海を使うこと、街を育てることー造船業がつくる新しい大きさの中に暮らすー | 作品 | 120 | |
佳作B賞 | 宮本 皓生 工学院大学建築デザイン学科 | うつろいの映写機 | 作品 | 100 | |
佳作B賞 | 西尾 依歩紀 金沢工業大学 建築学部 建築学科 | 溜(タ)め家(イエ) ―ため池と共に生きる大きな家の提案― | 作品 | 100 | |
佳作B賞 | 野中 美奈 横浜国立大学大学院 Y-GSA | みんなでつくる大きなおうち ―ワザによりお互いを尊重し、みんなを受け入れる― | 作品 | 100 | |
佳作C賞 | 岩下 隆平 東京工業大学 環境社会理工学院 建築学系 | 境界線に屋根をかける | 作品 | 80 | |
佳作C賞 | 後藤 樹也 東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科 | 不完全が生む寛容な家 | 作品 | 共同制作者/ 竹澤 龍河 | 80 |
合計10件 | 総額 2,500 |